「リボ払いを利用しているとクレジットカード審査に通らない」という話を耳にしたことがあるという方もいるかもしれません。
クレジットカードでリボ払いを利用していて、新たにカードを作ろうと考えている人は不安になりますよね。
実際のところ、リボ払いの残債が少額であれば、カード審査に大きな影響を及ぼすことはありません。
しかし、そうは言ってもリボ払いがカード審査に影響するのは間違いありません。
リボ払いがカード審査にどんな影響を及ぼすのか詳しく解説していきます。
リボ払いをすると信用情報機関にどのように掲載される?
クレジットカード会社は、信用情報機関に加盟しなければいけず、カード利用者の利用状況を登録しなくてはいけないことになっています。
そしてリボ払いを利用した場合も、信用情報機関にその情報は掲載されます。
ここでは、リボ払いをすると信用情報機関にどのように掲載されるのかご紹介します。
リボ払いの利用は信用情報機関にこう登録されている
こちらは個人信用情報機関のCICに開示請求したときの信用情報開示報告書です。
<<契約内容>>
「極度額」の欄にこのクレジットカードの利用可能な金額が掲載され、「支払回数」の欄にはリボ払い機能付きと掲載されています。
<<お支払の状況>>
「請求額」には19,000円と掲載され、入金額に19,000円と掲載されています。
これは19,000円の請求があって、19,000円の支払いをしたということを意味します。
<<割賦販売法の登録内容>>
「割賦残債額」には189,000円と記載されています。
これは残高が189,000円あることを意味し、さらにその下には年間請求予定額が掲載されており、この場合は年間で84,000円を支払う予定だということがわかります。
<<入金状況>>
この欄には過去2年間の入金状況が記号で掲載されます。
上記の欄にはすべて$マークが並んでいますが、これは請求どおりの入金があったことをしめしており、毎月きちんと支払いできているということになります。
リボ払いの利用枠いっぱいまで使っているかわかる
信用情報を見ることで、リボ払いの利用枠をどの程度使っているかがわかります。
クレジットカードのリボ払いは15~18%程度の手数料がかかり、リボ払いを利用枠いっぱいまで使っていると支払いしてもなかなか完済しない状態になります。
また、支払いして利用枠が空くと再び買い物などで使用するので残高が一向に減りません。
先ほど紹介した信用情報を例に、リボ払いの利用枠をどの程度使っているのか見てみましょう。
この方の場合、極度額が209,000円で、残高が189,000円。
リボの利用枠いっぱいとまではいかないにしても、空き枠は20,000円しかありません。
このようにリボの利用枠いっぱいまたはギリギリまで使っている状態を「リボ天」「リボ天井」といいます
手数料15%の場合、1ヶ月間の手数料は2,000円程度なので支払いにそこまで大きな影響はありませんが、利用額が大きくなるほど手数料も高くなり、支払いしても残高はなかなか減らないので注意が必要です。
リボ払いと信用情報の関係
クレジットカード審査において、申込者のリボ払いの残債は知られてしまいます。
その理由は、個人信用情報機関に登録されているからです。
個人信用情報機関とは
個人信用情報機関とは、クレジットカードやローンなどにおける個人の信用取引の履歴を登録・提供する機関です。
カード会社は、審査する際に個人信用情報機関に登録されている申込者の信用情報を必ず確認したうえで、カード発行するかどうか判断しています。
リボ払いの情報は個人信用情報機関に登録される
リボ払いを利用すると、個人信用情報機関に登録されます。
具体的には次の情報が登録され、各カード会社間で共有されます。
- 契約年月日
- リボ払いの残債
- 年間支払見込額
- 支払いを遅延しているかどうか
以上の情報は個人信用情報機関に登録されるので、たとえば、A社のクレジットカードでリボ払いを利用すると、新規申込したB社のクレジットカード審査ではすべて知られてしまうということになります。
リボ払いの残債とカード審査への影響
リボ払いの残債があるとカード審査に落ちるというわけではありません。
残債があっても、少額で支払い遅延や延滞がなく、家計を圧迫していなければ審査通過の可能性は十分にあります。
実際のところ、クレジットカード審査ではリボ払いの残債よりも年間支払額が重視されます。
リボ払いの残債があっても支払可能見込額に余裕があれば審査通過できる
クレジットカード審査では、法律により申込者の「支払可能見込額」を計算するよう定められています。
支払可能見込額は、クレジットカードの利用代金の支払を充当できると見込める金額のことで、以下の方法で計算されます。
法律により、支払可能見込額の90%の金額をカード利用の限度額と定めらています。
生活維持費は、地域によって標準金額の90%程度で定められているので若干異なりますし、家賃・住宅ローンの有無でも異なります。
割賦販売法では生活維持費は下記のように定められています。
世帯人数 | 家賃住宅ローンなし | 家賃住宅ローンあり |
---|---|---|
1人 | 90万円 | 116万円 |
2人 | 136万円 | 177万円 |
3人 | 169万円 | 209万円 |
4人以上 | 200万円 | 240万円 |
リボ払いの残債があってもカード審査に通るかどうかは
「年収-生活維持費」と「月々のリボ払い請求額×12」を比べれば良いです。
「年収-生活維持費」が請求額を上回っていれば審査通過の可能性は大いにあります。
• 年収-生活維持費
300万円-116万円=184万円
• リボ払いの年間請求額
2万円×12ヶ月=24万円
⇒184万円-24万円=160万円。カード会社はAさんに対し160万円の枠を提供できる。
上記のように、リボ払いの請求額を上回っていればクレジットカード審査を通過することは可能です。
リボ払いの残債があるからと言って審査に落ちるわけではなく、クレジットカードの利用代金の支払いに充てることができると見込まれる金額に余裕があれば審査通過は可能なのです。
リボ残債が多いほどショッピング枠は小さくなる
上記で紹介した計算方法からわかるとおり、リボ残債が多くなるほど申込者に与えられるカードのショッピング枠は小さくなります。
また、リボ払いを使いすぎていると、支払能力なしとみなされ審査落ちする可能性が高くなります。
法律により、支払い可能見込額を超える契約は禁止されているのです。
リボ払いの残債が少額であればカード審査にほとんど影響しませんが、年収3分の1程度までリボ払いの残債があると「計画性がない人」と判断され、審査に不利になります。
リボ払いの残債でカードの審査に落ちる理由
なぜ、リボ払いの残債によってカード審査に落ちるのかその理由について解説します。
リボ払いの残債が支払い可能見込額に影響する
クレジットカード会社は、審査において申込者の支払い可能見込額を調査しなければいけません。
そして、クレジットカード会社は支払い可能見込額の90%を超える利用枠を付与することはできず、支払い可能見込額が極端に少ないと審査落ちします。
リボ払いの残債が大きいほど、年間請求予定額が多くなり、その結果支払い可能見込額は少なくなるのでカード審査に落ちる可能性があるのです。
カード更新の審査にも影響する
クレジットカードは更新する際も審査が行われます。
いわゆる更新審査ですが、この審査のときも支払い可能見込額の調査は行われます。
更新審査のときに、契約時よりもリボ払いの残債が増えていれば、支払い可能見込額が少なくなくカード更新できず利用停止になる可能性もあります。
リボ払いでカードの審査に通らない場合の対策
リボ払いの残債が多くクレジットカード審査に通らない場合は、以下3つの対策を講じてみましょう。
- リボ払い残債の一括返済
- 月々の返済額UP
- ボーナス一括払い
リボ払い残債の一括返済
クレジットカードはリボ払いの他に一括払いや分割払いボーナス払いなどの支払い方法が用意されています。
カード会社が定める変更締切日までに連絡して変更する、もしくは会員ページから支払い方法の変更手続きをすれば一括払いができます。
仮に一括払いができない場合でも、毎月のリボ支払いが10,000円の設定で残債が39,000円あるとしたら、支払額を40,000円に設定すれば翌月の返済で一括返済として対応できます。
月々の返済額UP
上記で紹介した方法と同じように、支払い方法の変更手続きを行い月々の返済額をUPさせることができます。
毎月10,000円で返済している場合、支払額を15,000円、20,000円とUPすれば手数料の節約と返済期間を短くすることができます。
リボ払いであることに変わりはないですが、これまでよりも計画的に早く返済していくことができます。
一括返済は無理だけど、できるだけ早く完済させたいときに有効な方法です。
ただし、返済額を無理に大きくして遅延・遅滞しては意味がありませんので、無理のない金額を設定しましょう。
ボーナス一括払い
ボーナス一括払いは、夏もしくは冬のボーナスで一括払いする方法です。
手数料が一切かからずに支払いを最長で半年先まで延長できるのが利点です。
リボ残債は優先的に支払うことが大切
毎月きちんと支払いしていても、リボ払い残債があることで悪い印象をもたれやすいです。
リボ払い残債が少額なら審査にさほど影響しないものの、新規でカード申し込みするなら、リボ払いの残債をゼロにしてからのほうが、カード会社の心証は良くなり審査通過しやすいです。
リボ払いのメリット
リボ払いには以下のようなメリットがあります。
- 手元にお金がなくても支払いできる
- ポイント・サービスの優遇
手元にお金がなくても支払いできる
リボ払い最大のメリットとも言えるのが「手元にお金がなくても支払いできる」ことです。
たとえば、手元に現金が1万円しかなくても、リボ払いは10万円、30万円、50万円と買い物することができます。
リボ払いは、最小限の支払いでOKですから自分の手持ち資金以上の買い物ができるのはメリットと言えるでしょう。
ポイント・サービスの優遇
リボ払いの利息は、カード会社の大事な収益源となるので、どのカード会社もリボ払いを利用してもらうためにポイントやサービス優遇に力を入れています。
リボ払いのデメリット
リボ払いは生活への負担が少なくて済みますし、手軽に買い物ができるので便利ですが、デメリットもあることを忘れてはいけません。
- 手数料が高額
- 金銭感覚が麻痺しやすい
- 完済が不透明
手数料が高額
クレジットカードのリボ払いは手数料がかかり、料率は15~18%と高額です。
手数料は利用残高に対して発生するので、支払い金額が少なければ利用残高は減りません。
そのため、支払回数が増えてしまい、高い手数料をずっと支払い続けていくことになり、結果として支払総額が高くなってしまいます。
金銭感覚が麻痺しやすい
リボ払いは、利用限度額の範囲内で月々一定額を支払えば際限なく使用することができます。
本来、毎月3万円しか手元に残るお金がない人でも、その他にリボ払いで毎月3万円の買い物を行えば、実際の生活水準よりも毎月3万円も多く買い物できてしまいます。
リボ払いは、このように金銭感覚が麻痺しやすいというデメリットが挙げられます。
完済が不透明
分割払いだと、6回払いなら6回支払いすれば完済するというのがわかります。
しかし、リボ払いは支払い金額ありきですので、完済が不透明です。
毎月の支払金額は一定ですが、そこにはリボ払い手数料が含まれるため、何回支払いすれば利用残高がゼロになるのかがわかりにくいです。
しかも、支払いの途中でリボ払いで買い物すれば利用残高は増えてしまい、いつ完済できるのか余計にわからなくなってしまいます。
まとめ
リボ払いは便利ですが、カード審査に影響するということがおわかりいただけたかと思います。
- リボ払いの利用は信用情報機関に登録される
- カード会社は審査で申込者のリボ払い利用を知ることができる
- リボ払いの残債が少なければ審査にさほど影響しない
- リボ払いの残債が多いほど支払い可能見込額が少なくなり審査落ちする
- リボ払いのメリット・デメリットを理解した上で利用し、計画的に返済すること
リボ払いは手数料が高いので、できる限り利用しないように心がけたいです。
どうしても利用する場合は、月々の返済額を多めにして返済期間が長引かないようにするのも大切です。