年金未納とはご想像の通り、国民年金の支払いを行っていない、もしくは納める意思がなく放棄している状態のことを指します。
年金は日本国民全員が加入し、保険料を支払うという「義務」があります。
しかし実のところ国民年金の納付率は60~70%ほどで、3割近くの国民は支払いをしていないというのが現状です。
果たしてこの3割の人たちに対して、年金を未納の場合はクレジットカードの発行審査に影響を及ぼすのか、また対処法は何かないのかといったことを解き明かしていきたいと思います。
年金未納はクレジットカードの審査に影響がある?
一定数の人は支払っていませんが、年金を支払うこと自体は「義務」。
おそらくそちらを未納の場合は、金銭が絡むカードの審査には影響を及ぼしてしまい、所持するのが困難になるのではないかと考えてしまう人もいるでしょう。
しかし結論を申し上げますと、年金未納であったとしても、それ自体はクレジットカードの審査に何も影響を与えることはありません。
年金が未納だからといって、カードを与えるには相応しくない人だ、返済してくれるか不安だということにはならないのです。
なぜか疑問になることでしょう。
それは国民年金のような公的なものと違い、カード会社とその審査に関わる機関での話になるので、年金をしっかり納めていようとなかろうと影響はないのです。
クレジットカードを申し込んだ際、参照されるのが個人信用情報機関の信用情報とカード会社内のデータになります。
個人信用情報機関というのは、発行希望者の個人情報を所持しており、過去にカードの支払いを遅延したり未納だったことはないか、最悪の場合、金融事故を起こしたことはないかという情報を所持している機関です。
カードの審査の際に、カード会社がまずそちらで過去の返済状況を確認し、収入面も考慮して返済能力があると判断されれば、無事カード発行となります。
そのため、軽く整理すると国民年金がたとえ未納でも、カード発行に関してはカード会社と個人信用情報機関の管轄内となるため、影響どころか関わりすらないということになります。
しかし、国民年金同様に影響のない未納もあれば、影響してしまう未納というのも存在します。
細かく解説していきたいと思います。
クレジットカードの審査に影響のない未納
国民年金と同様に、健康保険も未納で影響はありません。また水道やガス、電気等の公共料金等の支払いを滞納していても影響はありません。基本的にはカード払いの滞納の過去などがなければ比較的影響を与えないものは多いかと思います。
公共料金
- 水道
- ガス
- 電気
- ネット料金
とりあえず思いつく公共料金は上記のものかと思われます。
こちらも直接、カード会社と関係性があるわけではないため審査には影響がありません。
審査には影響はありませんが、いずれも支払えないと生活自体が困難になるかと思われるのでそちらを支払えないこと自体が問題となるでしょう。
税金
- 市民税
- 固定資産税
- 住民税
- 所得税
税金も国のお金なので、お金を貸す立場であるカード会社とは分野が違います。
しかし、税金に関しては支払わないと差し押さえになる可能性もあり、銀行口座を止められてしまったり、法的な処置に合う可能性が高いため、審査とは無縁ではありますが生きていく上ではかなり大きな問題になります。
健康保険
- 国民保険
- 共済保険
- 総合保険
保険も審査には影響することはなく、どちらかといえば未納である保険自体に大きな問題が生じてしまうものです。
けがをした際に通常料金での利用となることはもちろんですが、保険証を身分証として利用していた場合には、カード審査にて提示した際に矛盾が生じてしまうことがあれば時間を要してしまうかもしれません。
クレジットカードの審査に影響のある未納
これまで、審査に影響のない未納を解説しましたが、思ったよりも広く影響を受けることはほぼないのではないかと思われたのではないでしょうか。
それ以前にカードの審査以上に人生に大きく影響を与えかねない未納ばかりだったかと思われます。
しかし確かに影響を与えてしまう未納や、審査に悪影響を及ぼしてしまう行動は確かに存在するのでそちらも解説させていただきます。
カードの支払いを未納・延滞したことがある
まずはじめに、間違いなく審査に大きく影響するカードの未納や延滞です。
カード「会社」であって、公的なものではないので、返済の能力がなかったり、意思が感じられない人は利益に繋がらないどころか、会社にとっては悪影響を与えかねない人物となるので借りることが困難となります。
大体は2か月以上支払いを延滞した場合は個人信用情報機関へと情報が渡ってしまいます。
また、短期間かつ数回程度の延滞であれば大目に見てくれる会社がほとんどですが、それが頻繁になると同じくデータを残されてしまうことでしょう。
延滞してしまうとその会社で大きく信用を失い、特に1度解約させられた方が再度審査を通ることはかなり厳しいことでしょう。
それならば系列もまったく違う、一切利用したことのない別の会社に申込みをすればよいのではと思われのではないでしょうか。
確かにその通りではあり、実際に未納データが他社に共有されていることはありません。
しかし、審査の際にカード会社が参照する、個人信用情報機関に金融事故情報としてデータは残っているので、保有期間である5年間はカード審査に通ることが極めて困難な状況となることでしょう。
消費者金融での借金の返済延滞
キャッシングや消費者金融での借金の返済を延滞させても審査に影響が生じます。
こちらの仕組みに関しては、上記のカード払いの未納と大体同じになります。
こちらで延滞した際もキャッシング会社だけではなく、個人信用情報機関に信用情報が記録されてしまいます。
当然ですが、お金を貸すことにより利益を出している会社が貸しっぱなしとなってしまえば損失しかありません。
クレジットカード同様に返済能力を見極めるために個人信用情報機関のデータを参照します。
また、若干話が変わってしまいますが、カード会社同様にキャッシング会社でも事故情報がある5年程度の期間中は新規借り入れは不可同然のような状態になるかと思われます。
簡単に言ってしまうと情報が残っている限りは、個人信用情報機関が絡む案件に関しては全てかなり不利になります。
奨学金の返済延滞
奨学金も支給制ではないので部類としては借金です。
こちらもキャッシング会社同様に返済の延滞をしてしまうと(奨学金の場合は3か月以上)金融事故として個人信用情報機関へデータが記録されてしまいます。
つまりおおよそ5年ほどはカード申請などを通る確率が大幅に減少します。
それどころか催促などがされますが、9か月以上の延滞をしたところで給与の差し押さえや連帯保証人への支払い義務が生じるなど、審査どころではない問題が発生します。
そのため、奨学金は計画的な借り入れをしていくことが何よりも大事です。
しかし延滞してからは遅いですが、日本学生支援機構では返済が滞りそうな際に連絡を受けると、減額返還や返還期間に猶予を与えてくれたりと救済措置を取ってくれることがほとんどです。
もし困ってしまった場合は、信用情報につくキズを抑えるためにも早急な連絡をして対処することを心がけていきましょう。
しっかりと返済意思のある方には道を開いてくれるはずです。
各種ローンや借金の延滞
最後に大まかとはなってしまいますが、購入時などに分割払いを希望した商品の支払いが困難になった場合です。
聞くものとしてはスマートフォンの分割払いなどです。
あくまでこちらも借金にはなるので、返済を長く、もしくは頻繁に延滞した場合は信用情報にデータが残ってしまいます。
いままで紹介してきたものと比べると規模は小さく軽視しがちですが、こちらもしっかりとした借金の返済延滞です。
むしろ軽いものを延滞したために、およそ5年間カードの審査を通れなくなったりローンが組めなくなってしまうと考えると放棄するとかなり損をしてしまうものと思われます。
ブラックリストに載る条件とは
・カードやキャッシングなどの支払いの延滞
・自己破産などの債務整理を行う
・多重申込みや同姓同名の方との勘違いなど申込みの不備
・クレジットカードの現金化などの違反行為
大まかには上記の理由でカード会社のブラックリストに載るものだと考えてよろしいかと思います。
今までの審査の影響に関する説明と通ずる点は省略しつつ解説していきます。
カードなどの支払いの延滞
これは今までの説明でもありましたが、返済をしないということは会社に利益がなく、むしろ悪影響を及ぼします。
最悪の場合は解約もされてしまうことでしょう。
自己破産などの債務整理を行う
会社は返済能力、返済意思のある方にお金を貸します。
破産歴のある方は仕方のないことですが前科があるということで、繰り返されると困るためブラックリストに載ることでしょう。
クレジットカードの現金化などの違反行為
業者指定の商品をカード払いで購入したのち、即業者に買い取ってもらって現金を手元に残すという現金化。
こちらも対象です。
もしカード会社に判明してしまえば利用規約違反により強制解約させられてしまいます。
当然ブラックリストには載りますし、個人信用情報機関へ記録も残ります。
まとめ
・年金未納はカードの審査に影響しない。他の公共料金や税金も同様
・借金やローンの延滞は信用情報に残るため影響がある(保有期間の5年間)
長くなってしまいましたが、本題の年金未納はカード申請に影響するかと言われますと全くしません。
冷たい話ですが、会社は貸したお金を返してくれるという信用できる相手であれば貸しますし、なければ貸しません。
そちらを踏まえて今後も金銭面に関しては計画的に利用していきましょう。
何しろ金融事故の規模に関係なく前科があればカード申請やローンを組むことも、期間が空かなければできません。
かなり不便になるかと思われるので、もしもの時は相談や対処法を考えて動きましょう。
色々と記述させていただきましたが、直接の滞納でなくとも公共料金やネットショッピングの支払い方法をクレジットカードにしている人は、そちらの延滞を経由して信用情報を失う可能性もあります。
非常に便利なカードですが、時には脅威となりかねないので使用法は考えていきましょう。