今回は、ブラックリストとは何なのか?どういうことをするとブラックリストに載るのか?など、ブラックリストについて詳しく解説していきます。
クレジットカードの審査について少しでも調べたことがある方なら、ブラックリストという言葉を聞いたことがあるでしょう。
ブラックリストに載ると何となく良くないことはわかっていても、何故いけないことなのかきちんと理解している方は少ないです。
ブラックリストについて詳しく知りたい方必見の内容となっているので、ぜひ参考にしてください。
ブラックリストが消えるまでの期間
ブラックリストは永久的に残るものではありません。
ブラックリストに載った原因にもよりますが、一定期間過ぎるとブラックリストは消えます。
機関によってもブラックリストの記録機関は異なりますので、下記の表で確認してみましょう。
CIC | JICC | 全国銀行個人信用情報センター | |
---|---|---|---|
61日常延滞 | 5年 | 1年 | 5年 |
3ヶ月以上延滞 | 5年 | 5年 | 5年 |
強制解約 | 登録なし | 5年 | 5年 |
任意整理・個人再生 | 5年 | 5年 | 5年 |
自己破産 | 7年 | 5年 | 10年 |
申し込みブラック | 6ヶ月 | 6ヶ月 | 6ヶ月 |
上記の期間が過ぎることで個人信用情報機関からブラックリストは消滅します。
まれにシステムエラーや、裁判所の手続き漏れでブラックリストの情報が残ってしまうこともあります。その場合は、信用情報機関に連絡して削除してもらう必要があります。
ブラックリストは一定期間経過するのを待つ以外消す方法はありません。自力で消そうと思って消せるものではないのです。
ブラックリストとは?
ブラックリストとは、クレジットカードの支払いを長期滞納したり踏み倒したりした経歴がある状態のことを指します。
ブラックリストという言葉を聞いたことがあるという方も多いかもしれませんが、実際にそのようなリストが存在するわけではありません。
クレジットカード会社は、自社カードを利用する顧客の利用履歴をデータ(信用情報と言います)にして保管・共有しています。
このクレジットカードの利用履歴は、他のカード会社でも確認することができます。
たとえば、あなたがA社のクレジットカードを利用しているとすると、「A社のクレジットカードを利用している情報」は、とある機関※に保管・共有されます。
そして、B社のクレジットカードに申し込みすると、B社は審査で申込者がA社のクレジットカードを利用していることを知ることができます。
単に利用していることだけでなく、「ショッピング枠はいくらなのか?」「利用代金はきちんと支払っているか?」「延滞や踏み倒しをしていないか?」といった情報も知ることができるのです。
このように、クレジットカードの利用履歴は共有されているので、どのカード会社も調査することで知ることができる仕組みとなっています。
そして、クレジットカード利用履歴に1つでも悪い利用履歴があると、クレジットカードを作ることができなくなり、まるでブラックリストに載ったかのような状態になります。
これこそがブラックリストに載ると言われるゆえんなのです。
ブラックリストというリストが存在するわけではなく、過去に起こした悪い利用履歴が記録されている状態を指す言葉になります。
※とある機関とは個人信用情報機関のことを指します。個人信用情報機関については後述していますのでそちらを参照してください。
信用情報機関とは?
信用情報機関とは、クレジットカードやキャッシングなどあらゆる借り入れの利用状況を登録・管理している機関のことです。
登録される利用状況はクレジットヒストリーと呼ばれています。
クレジットヒストリーについては「クレジットヒストリー(クレヒス)とは?その重要性と影響」の記事にまとめていますので参考にどうぞ。
信用情報機関は3つあり、クレジットカード会社等はいずれかの機関に会員として加盟しています。
名称 | 主な加盟企業 |
---|---|
CIC | ・クレジットカード会社 ・信販会社 |
JICC | ・消費者金融 ・信販会社 |
全国銀行個人信用情報センター | ・銀行 ・信用金庫 ・協同組合 |
複数の機関に加盟する企業もあり、信用情報機関は互いの情報を共有しています。
信用情報機関には、クレジットカードの利用履歴が記録されるので、延滞や踏み倒しなどをすればそれらの情報も記録されます。
クレジットカードやキャッシングに申し込むと必ず審査が行われ、審査に通らないとカード発行されません。
審査では、個人信用情報機関に照会をかけて申し込み者の信用情報をチェックするので、延滞や踏み倒しの記録があれば審査落ちする可能性が高くなります。
ブラックリストに載る理由と種類
ブラックリストに載る理由はいくつかありますが、共通して言えるのは「借りたお金を返せない」ことです。
それを踏まえて、ブラックリストに載る理由をご紹介します。
クレジットカード・キャッシングを長期延滞する
クレジットカードの利用代金や、キャッシングで借り入れたお金を期日を過ぎても返済しない状態が長期的に続くと信用情報機関に「延滞」が記録が残ります。
返済できない状態がどのくらいの期間続くと延滞が記録されるのか、基準はカード会社によって異なりますが目安は「61日以上」または「3ヶ月以上」となります。
もし、返済が遅れてしまうようであれば、早めにカード会社に連絡して返済計画を立て直してもらうのがおすすめです。
債務整理を行う
債務整理とは任意整理や自己破産の総称で「借りたお金の返済を減額または帳消しにする」行為のことです。
「任意整理」「個人再生」「自己破産」はいずれも債務整理の一種で、どれもブラックリストに載ります。
法的に借金を整理することは権利として認められていますが、カード会社側からすれば貸したお金を減額またはゼロにされてしまうわけですから、ブラックリストに載るのは仕方ないことでしょう。
ただし、過払い金請求だけはブラックリストに載りません。
クレジットカード現金化を利用する
クレジットカード現金化は違法ではないとされていますが、カード会社が定める利用規約に違反する行為のため、ブラックリストに載ります。
個人信用情報機関には、クレジットカード現金化したという記録は残らず、強制解約されたという記録が残ります。
CICでは強制解約の記録はされませんが、JICCにはきちんと記録されます。
現金化業者の「CICに記録されないから大丈夫」なんてだまされないようにしましょう。
短期間にクレジットカードにたくさん申し込む
短期間のうちにクレジットカードやキャッシングをたくさん申し込む行為を「申し込みブラック」といい、半年間ブラックリストに載ります。
審査落ちしたときの保険としてたくさん申し込みする方もいますが、手当り次第申し込んでいるとカード会社には「この人は相当お金に困っているから貸したくない」と思われてしまいます。
申し込みブラックと判断される目安は、一月に4社以上クレジットカードやキャッシングに申し込むと審査に通らなくなるとされています。
スマホの分割払い・奨学金を滞納する
スマホは端末代金が高額のため分割払いで購入される方がほとんどでしょう。
端末代金の支払いは携帯電話料金と一緒に支払うことになりますが、その場合の支払いを滞納するとブラックリストに載ります。
同じく、奨学金の支払いを長期に渡り延滞するとブラックリストに載ってしまいます。
ブラックリストに載っているか確認する方法
自分がブラックリストに載っているかどうかは「信用情報の開示請求」の手続きをすることで確認できます。
先述したとおり、クレジットカードやローンの利用履歴はすべて信用情報機関に登録されているので、延滞や踏み倒しの記録がなければブラックリストに載っていないということになります。
各信用情報機関の開示請求手続きの方法をご紹介します。
CICの開示請求手続き方法
CICの開示手続き方法は「パソコン・スマホ」「郵送」「窓口」の3種類から選べます。
パソコン・スマホによる開示
パソコン・スマホによる開示は即時で信用情報を確認できるので便利です。
開示手続きが可能な時間帯は8:00~21:45となります。
開示に必要なものは「クレジットなどの契約に利用した携帯電話番号」「クレジットカード」です。
手数料は1,000円かかり、支払いはクレジットカードのみとなります。
郵送による開示
郵送開示では「開示申込書」「本人確認書類」「ゆうちょ銀行発行の定額小為替証書(1,000円)」が必要です。
申込書等をCICに郵送後、約10日で開示報告書が送られてきます。
窓口による開示
CIC窓口で開示手続きした場合、その場で開示報告書が手渡しされます。
利用できる時間帯は平日10:00~12:00と13:00~16:00となります。
必要なものは「本人確認書類」「現金500円」です。
JICCの開示請求手続き方法
JICCの開示請求手続き方法を説明します。
スマホによる開示
- 専用アプリをダウンロード
- パスワードの発行・入力
- 申込み内容の入力
- 本人確認書類を送信
- 手数料の支払い方法を選択
- 開示結果の郵送
スマホで開示手続きする場合は専用のアプリをダウンロードします。
開示手数料は1,000円で、支払い方法はクレジットカード・コンビニ・ATM・ネットバンキングなどから選べます。
手続自体はスマホで行いますが、開示結果は郵送となるので確認できるようになるまでに約1週間かかります。
郵送による開示
郵送で開示手続きする場合は「信用情報開示申込書」「手数料1,000円」「本人確認書類」をまとめて下記送付先まで送付します。
送付先
大阪府大阪市北区堂島1-5-30
堂島プラザビル6階
株式会社日本信用情報機構 開示窓口宛
手数料の支払い方法は「クレジットカード」「定額小為替証書」のいずれかを選べます。
窓口による開示
窓口で開示手続きする場合は「現金500円」「本人確認書類」の2点が必要です。
受付時間は平日10:00~16:00となります。
全国銀行個人信用情報センターの開示請求手続き方法
全国銀行個人信用情報センターの開示手続きは郵送のみとなります。
手続きに必要なものは「登録情報開示申込書」「手数料1,000円」「本人確認書類」の3点で、以下の住所に郵送しましょう。
送付先
一般社団法人全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター
ブラックリストに載ることによる悪い影響
ブラックリストに載ることによる悪い影響は「クレジットカードを作ることも、お金を借りることもできなくなる」ことです。
これは、クレジットカードを発行する会社や金融業者の立場に立ってみればわかります。
約束を守って返済しない履歴が残っている人に、カード発行やお金を貸したくないからです。
たとえば、お金にだらしない友達が『金貸してくれない・・・?』と頼んできて、あまり貸したくないのと一緒です。
企業としても、きちんと返済してくれなさそうな人にはクレジットカードを発行したくないのです。
ブラックリストに載ると、長期に渡りクレジットカードを作ったりお金を借りたりすることができなくなります。
言ってみれば、ブラックリストに載るということは「あなたは貸したお金をきちんと返してくれない信用できない人間ですよ」というレッテルを貼られているのと同じです。
ブラックリストの人でもすぐに持てるカード
ブラックリストの人でも、現在進行系で延滞していなければ作れる可能性があるクレジットカードがあります。
アコムACマスターカード
大手消費者金融アコムが発行するクレジットカードです。
過去にブラックリストに載った人でも、現在は安定収入があって延滞中でなければ作れる可能性があるクレジットカードです。
クレジットカードの審査は銀行系がもっともハードルが高く、消費者金融系がもっともハードルが低いです。
ACマスターカードは消費者金融の審査基準なので、他のクレジットカードとは異なる審査基準ですから、現在の収入状況を重視する傾向にあるので、過去にブラックリストに載った人にもおすすめできるのです。
アメックスグリーンカード
アメックスグリーンカードは外資系のクレジットカード会社が発行しています。
日本のクレジットカード会社とは審査基準が異なるので、過去にブラックリストに載った人でも審査通過の可能性が十分にあります。
欧米は再チャレンジを高く評価する傾向にあるので、そういった理由からもアメックスグリーンカードをおすすめします。
また、アメックスは様々な角度から審査して判断するので、単純にクレヒスが悪いという理由だけで審査落ちにすることはありません。
安定収入があれば審査通過の可能性は十分にあります。
まとめ
今回はブラックリストの正体、ブラックリストに載る原因や消滅させる方法などについて解説しました。
解説した内容をまとめると・・・
- ブラックリストとはクレジットカードの支払いを長期滞納したり踏み倒したりした経歴がある状態のこと
- クレジットカード等の利用履歴は信用情報機関で登録・管理されている
- お金を返せない状態が長期的に続くとブラックリストに載る
- ブラックリストの登録期間は約5年
- 情報機関に開示手続きすれば自分がブラックリストに載っているか確認できる
ブラックリストに載ってしまうと、長期間クレジットカードと作ったりローンを組んだりすることができなくなり、不自由な生活を送らなければいけなくなります。
大切なのは、ブラックリストに載る原因を理解し、載らないようにすることです。