家族がブラックだとクレジットカードの審査は無理?両親・兄弟・配偶者の影響の関係

家族


両親や兄弟、配偶者がブラックだと家族である自分もクレジットカードを作れない、そんな噂を耳にしたことがあるという方はいるのではないでしょうか。

果たしてこれは本当なのでしょうか?

また、クレジットカードの申し込み用紙には家族構成や既婚/未婚、子供の有無などの情報を記入する項目がありますが、これはクレジットカード審査に影響するのでしょうかも気になるところです。

今回は、両親・兄弟・配偶者など家族がブラックリスト入りしているときや家族構成によるクレジットカード審査の影響について解説していきます。

家族がブラックだとクレジットカードは作れない?

ブラックリスト
結論を言うと、家族がブラックリスト入りしていても自分のクレジットカード審査に与える影響はゼロもしくは軽微なレベルです。

家族がブラックでもクレジットカードは作れる

ブラックリスト入りするとは、個人信用情報機関に登録されている信用情報(クレヒスとも言う)に金融事故情報が登録されている状態のことです。この金融事故情報とは、

  • 長期の延滞(61日以上もしくは3ヶ月以上)
  • 強制解約
  • 代位弁済
  • 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)

上記いずれかの返済トラブルを起こした場合に登録されるものです。

クレジットカード審査では、申し込み者の信用情報を必ず確認します。そして、この金融事故情報が登録されている場合は、審査通過はほぼ不可能です。

しかし、それはあくまでも申し込み者本人の信用情報に問題がある場合に限った話で、家族にブラックリスト登録者がいたとしても、申し込み者本人に金融事故情報の登録がなければ審査通過の可能性は十分あります。

たとえ、家族であってもカード会社は申し込み者以外の信用情報を見ることはできないからです。

類似情報で家族のブラックリスト入がバレる?

家族がブラックでもクレジットカードは作れると説明しましたが、中には「CICには類似情報を表示する機能があるから、それを見れば自分の家族がブラックだということはバレてしまう」という方もいます。

しかし、これは同居家族のリストが表示されるだけであり、その家族の信用情報まで審査担当者が見れるわけではありません。仮に、家族の信用情報を見てしまえば閲覧したという履歴は残ってしまうので問題となります。

カード会社が個人の信用情報を見るには本人の承諾を受けなければいけませんので、承諾なしで閲覧すれば「目的外利用」にあたるため個人情報保護法などの方に触れる行為となってしまいます。

配偶者がブラックの場合だと?

配偶者がブラックの場合でも、配偶者の信用情報を審査しない形であればクレジットカードは作成可能です。

繰り返しになりますが、カード会社が信用情報を照会できるのは信用情報の閲覧を承諾してくれた相手だけです。

たとえば、旦那さんがブラックリスト入りしている状態でも、奥さんが自身で働いて収入を得ている場合は申し込み者本人の信用力が調査の対象となるので、旦那さんの信用力は一切関係ありません。

ですから、配偶者がブラックリスト入りしていても問題なくクレジットカード審査に通ることが可能です。

「パートで働いているけど審査に落ちた。やっぱり旦那がブラックだから・・・」という方もいますが、恐らくそれはパート・アルバイト向けではないクレジットカードに申し込みしたことが原因です。

クレジットカード審査には収入は少なからず影響します。毎月安定的に収入を得ていることは必須ですが、カードの種類やランクによってはある程度の額の収入があることを審査通過の条件としているものもあります。

また、カード会社によってターゲットとする顧客層が違います。旦那さんがブラックだけど自分はパートなどで働いて収入を得ていると言う場合は、主婦をターゲットにしたクレジットカードに申し込めば審査通過の可能性が高いです。

主婦をターゲットにしたクレジットカードの代表は、スーパーやデパートと提携している流通系クレジットカードと呼ばれるものがあげられます。

家族がブラックでクレジットカード審査に影響するケース

家族がブラックであっても基本的にクレジットカード審査に影響しないと説明しましたが、例外的に審査に影響するケースがあるので、ここでご紹介します。

専業主婦は注意

先程、配偶者がブラックリスト入りしていてもクレジットカード審査に影響しないと説明しましたが、これには例外的なケースがあります。

審査に影響しないのはあくまでも、申し込み者自身の信用力だけでクレジットカード審査を受ける場合だけです。

つまり、パートなどで収入を得ている主婦はカード審査に影響しませんが、無収入の専業主婦(主夫)の場合は配偶者の信用力が調査されるため、配偶者がブラックリスト入りしていると審査に通らない可能性が高いです。

未成年と無収入の学生

未成年と無収入の学生の場合、親がブラックリスト入りしていると審査通過は困難です。

これは、親の信用力が審査の対象になるからです。そのため、親がブラックリスト入りしていることをカード会社は把握できるので審査落ちの原因になります。

収入がないもしくは少ない学生がクレジットカードを利用するうえで、親がカードの利用代金を肩代わりすることを想定しているため、個人信用情報機関に照会をかけて親の信用情報を調査します。その親にブラックリスト入りしていることが判明すれば、子供の支払いを肩代わりできない恐れがあると判断されてしまい審査落ちします。

また、アルバイトなどで収入があるにもかかわらず、無職の学生として申し込んでしまえば親の個人信用情報はチェックされますので注意してください。

ちなみに、未成年の場合は収入の有無に関係なく親の同意書が必要になるので、やはり親がブラックリスト入りしているとクレジットカードを作るのは難しいです。

自宅の固定電話で申し込むと審査落ちの可能性がある

親や家族がブラックリスト入りしていて、クレジットカードに申し込むときに自宅の固定電話を記入して申し込むと審査落ちする場合があります。

クレジットカード会社は、個人信用情報機関だけでなく、独自に顧客の情報を収集しています。いわゆる社内情報です。その社内情報にブラック情報が登録されている人は社内ブラックとして扱われてしまい、今後はそのクレジットカード会社と関連のあるグループ企業の審査に通ることはできません。

もし、家族が社内ブラックで同じ電話番号だということを理由に家族関係がバレてしまい、信用力を失いう審査落ちする可能性があります。

他にも、氏名や住所が同じであることから、親のブラック情報を類似情報としてみなすケースもあります。この場合は、親が社内ブラックになっているクレジットカードには申し込まないことです。

一人暮らしされている場合は、実家の電話番号ではなく自分の携帯電話番号と一人暮らしの住所を申し込み書に記入するといいでしょう。

家族カードは強制解約

ブラックリスト入りするとクレジットカードは解約となります。

もし、親が持っているクレジットカードの追加として家族カードを持っている場合、親がブラックリスト入りすれば、家族カードも強制的に解約となります。

家族カードは、本契約者が解約した時点で使用不可になるからです。

親・配偶者がブラックになっている学生・専業主婦がクレジットカード審査を通過するには

クレジットカード

学生の場合

親がブラックリストいりしている学生は、以下の方法でクレジットカードに申し込むことで審査通過の可能性があります。

  • フリーターとして申し込む
  • 卒業後に申し込む
  • 親のブラックリストが消えてから申し込む

フリーターとして申し込む

親のブラックリスト入りしているとしても、学生本人がアルバイトやパートで収入を得るようになってからクレジットカードに申し込めば、本人収入のある学生の信用情報が審査対象となります。親の信用情報は審査対象にならないので、ブラックリストであっても審査通過の可能性があります。

ただし以下の点に注意してください。

•年収はみなし年収を記入する
勤続年数が短い(1年未満)場合や、月によって収入額が大きく異なる場合など正確に年収を把握できない場合は「みなし年収」を申込書に記入しましょう。

学生アルバイトの場合、直近3ヶ月間のアルバイト代の平均に12をかけた額をみなし年収として申告して大丈夫です。クレジットカード審査では、正確な年収額の申告は必要ないからこそできることです。

•キャッシング枠は0円にする
クレジットカードのキャッシング枠とは現金の借り入れ機能のことです。

キャッシング枠を希望してしまうと、ショッピング枠とキャッシング枠それぞれ別の法律を適用のもと審査されるので、審査通過の難易度があがります。

ですから、審査通過の可能性を少しでも高めるためにもキャッシング枠は希望しないことです。しかも、キャッシング枠を希望すると収入証明書の提出が必要になります。学生の場合は、収入証明書提出が難しいので、そういった意味でもキャッシング枠はつけないほうが無難です。

卒業後に申し込む

親がブラックリスト入りしていても、学生本人が卒業して社会人として独立すれば、クレジットカード審査では親の個人信用情報は参照されません。

親のブラックリストが消えてから申し込む

親のブラックリストが消えてからクレジットカードに申し込む手もあります。ブラックリストとは永久的なものではなく、金融事故情報の種類によって個人信用情報機関に登録される期間が次のように定められています。

金融事故の種類 CIC JICC KSC
61日以上の遅延支払い遅延
3ヶ月以上の支払い遅延 5年 1年 5年
強制解約 5年 5年 5年
債務整理(任意整理) 登録なし 5年 5年
債務整理(自己破産) 7年 5年 10年
代位弁済 登録なし 5年 5年

ブラックリストは消えると言っても、上記のとおり登録期間は長いです。学生のうちにクレジットカードと作りたいという場合は、アルバイトなどで収入を得て自身の信用力で審査してもらえるようにするほうが早いでしょう。

専業主婦の場合

続いて、配偶者がブラックリスト入りしている場合の専業主婦のクレジットカード作成です。

ポイントは以下の2つとなります。

  • ブラックの原因となったクレジットカードを避ける
  • キャッシング枠は0円で申し込む

ブラックの原因となったクレジットカードを避ける

申し込みするクレジットカードには十分注意が必要です。大前提として、配偶者が金融事故を起こしたクレジットカード会社には申し込まないことです。また、それと関係のあるグループ企業のクレジットカードも避けましょう。

恐らく、社内情報にブラック情報が残っているので、たとえ個人信用情報機関からブラック情報が消えても社内情報から消えることはないので、申し込みしてしまえば審査落ちになる可能性が高いです。

たとえば、配偶者が三井住友VISAカードで金融事故を起こしてブラック入りした場合は、申し込みは三井住友VISAカード以外のクレジットカードに申し込むようにしましょう。

キャッシング枠は0円で申し込む

クレジットカードのキャッシング枠をつけるとなると審査難易度は上がります。

キャッシング枠は総量規制の対象となり、年収3分の1までの借り入れに制限されます。たとえば、年収300万円の人ならキャッシング枠は最高でも100万円までとなります。

キャッシング枠の審査では、申し込み者本人の年収が審査の対象となるので、収入が0円の専業主婦では審査に通りません。

カード会社は類似情報で確認している

会社
クレジットカード会社は、以下3つの個人信用情報機関のいずれかに加盟しています。

  • CIC
  • JICC
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)

加盟する個人信用情報機関に対し照会をかけて申し込み者の信用情報を審査でチェックしています。

3つの信用情報機関の中でCICで家族の支払い滞納や金融事故情報があると、類似情報が出力されて、本人がクレジットカードに申し込みすると審査落ちになるという噂があります。

つまり、家族がブラックリストしていてその情報がCICに登録されていると、クレジットカード審査に影響するというものです。果たしてこれは本当なのでしょうか?

CICの類似情報で家族がブラックだと審査に落ちる?

家族がブラックリスト入りしていてCICに登録されている状態で本人がクレジットカードに申し込みしても、それが原因で審査落ちになることはありません。

というのも、CICがクレジットカード会社に対して情報提供するには、申し込み本人の同意が必要であり勝手に見ることはできないからです。

仮に、家族の金融事故情報がCICに登録されていたとしても、勝手に見ることはできないので申し込み本人の審査に影響することはありません。

カード会社は、氏名と生年月日で申し込み者の信用情報をCICから検索し、該当データを取得しています。

ただ、同姓同名で生年月日も同じと言うケースもあるため、きちんと本人特定できないと正確な診査はできませんし、申し込み者本人以外の信用情報を取得することはその本人の同意を得ていないので閲覧はできません。

こういった場合に住所や電話番号を追加情報として入力することで申し込み本人を特定しています。

また、電話番号で検索する方法もあり、これによって同一電話番号で登録している人を取得できます。固定電話番号で登録していると、クレジットカードの申し込み本人以外にも家族の名前まで一覧で表示されてしまいます。

つまり、クレジットカード会社は、申し込み本人の家族の個人情報も見ることができてしまうというわけです。これを類似情報といいます。

しかし、類似情報で家族の名前が表示されても、本人以外の信用情報の取得はできません。ですから、家族がブラックだとしてもクレジットカード会社にそれがバレることはありません。

家族がブラックになったカード会社は注意

家族がブラックでも、クレジットカード会社が申し込み本人の家族の信用情報について知ることはできません。

ただし、「家族が問題を起こしたクレジットカードに本人が申し込みする」となると話は別です。

なぜなら、社内情報として家族がつかったクレジットカードで金融事故を起こしたという情報が残っている可能性があるからです。クレジットカード会社が個人信用情報機関に登録されている家族の信用情報を勝手に見ることは問題ですが、社内情報を見ることは何ら問題ありません。

ブラックリスト入りしている家族がつかっていたクレジットカード会社では、審査に不利になる可能性があるので、少しでも審査通する確率を高めたいなら別のカード会社に申し込むようにしましょう。

これなら、カード会社は個人信用情報で家族がブラックリスト入りしていることも、社内情報でバレることもないので安心です。

家族がブラックな場合家族カードを持つ手もある

家族がブラックでも、家族カードを作ることは可能です。しかも、ブラックとなっている家族でも家族カードを持つことが可能です。

家族カードは、クレジットカードの本会員の家族が持つことができるクレジットカードです。

家族に対して審査するイメージがありますが、実際に審査されるのは本会員のみです。

家族カードで利用した分を支払いするのは本会員ですから、家族に支払い能力を求めていません。そのため、本会員の支払い能力と信用力が問題なければカード発行されます。

つまり、家族がブラックリスト入りしていても、本会員となる人がブラックでなければ家族カードが発行されるということです。

ただし、家族が過去に家族カードを利用していたクレジットカードで金融事故を起こしていると審査落ちする可能性が高いので注意してください。

家族の構成によって審査に影響はある?

家族構成もクレジットカードの審査対象になっています。

審査では、クレジットカード会社が長年蓄積してきた統計データをもとにして家族構成の審査を行います。とは言え、家族構成で大きな点数を付けることはないので、あまり気にする必要はない項目と言えます。

クレジットカード審査における家族構成の項目は大まかに以下2つがあります。

•同居家族
家族構成の審査項目の中では高い点数が割り振られていることが多いです。親と同居していると、もしものときは親が負担してくれる、水道光熱や食費を親が出しているなどと判断されるので、審査に多少なりとも影響する項目です。

•既婚/独身
カード会社によって解釈が異なる項目です。独身だと、出費が抑えられるため支払い能力は高いと見られることもありますし、逆に既婚者は社会的責任が強いため信用力が高いとして審査に有利になるケースもあります。

家族構成も申し込み書に記入するということは、少なからずクレジットカードの審査に影響しますが、誤差の範囲に近いですから神経質になることはありません。

まとめ

今回の話をまとめると・・・

  • 家族がブラックでも基本的にクレジットカード審査に影響しない
  • 専業主婦(主夫)は配偶者がブラックの場合は要注意
  • 未成年や無収入の学生は親がブラックだと審査通過は困難
  • 家族がブラック入りしていることが類似情報でバレることはない
  • 家族がブラックになったカード会社は避けたほうが良い
  • 家族構成が審査に与える影響は小さい

結局のところ、家族がブラックリストいりしているからクレジットカード審査に通らないと言っている人は、自分の支払い能力や信用力が足りないだけです。

家族がブラックでもクレジットカード審査には何ら影響しないからです。

それなのに審査落ちを家族のせいにしていても何も解決しませんので、まずは自分の属性や信用情報に問題がないのか見直すことから初めましょう。