退職したらクレジットカードはどうすればよい?連絡や信用情報などについて解説

退職


普段何気なく使っているクレジットカードですが退職するような場面になったら、クレジットカードはそのまま使い続けていいのか? 諸手続きもどうしたらいいのか? 気になることは多いですね。
今回はそんな退職後にクレジットカードをどう扱えばいいのかを多角的にフォーカスをあてて紹介していきます。

カード会社の審査における退職者の扱い

空白のカード
そもそもクレジットカード会社からすると退職者が新規カードを発行したい場合に、審査はどう扱うのかという話からですがそれは下記の3項目のように分けることができます。

  1. 転職先が決定していない無職の場合
  2. 転職先が決定していて再就職する可能性が高い場合
  3. 定年退職の年金受給者になって年金だけで生活を送る場合

ザッと箇条書きで紹介していますが分かりにくいと思いますので、それぞれ掻い摘んで紹介していきます。

転職先が決定していない無職の場合

これはそのままの通りで転職先が決定しないとなるとクレジットカード会社からは無職扱いになるため、審査には通ることは難しいと覚えておいた方がいいですね。

さらに言えば、新規で申し込みをした際に申込書の勤務先欄が無職として記入していくと、その申し込み情報が個人信用情報機関に登録されることになります。

なにかしらの場面で利用しているクレジットカード会社に個人信用情報機関からあなたの信用情報を参照されたときに、利用しているクレジットカード会社に登録している属性(職業/年収/勤務先など)と個人信用情報機関に登録されている属性(職業/年収/勤務先など)が異なっていることになり、場合によっては確認の連絡がくることもあり得ます。

もちろん契約情報に虚偽があると見なされて、カードの強制解約を執行されることも可能性としてゼロではないです。
こういった事態を避けるためにはどうするのかは単純な話で、新しい勤務先が決定するまではクレジットカードの新規申し込みをしないようにするのが無難でしょう。

転職先が決定していて再就職する可能性が高い場合

続いて反対に転職先が決定していて再就職をするであろう場合です。
これに関しては、新規申し込みをするクレジットカード会社に再就職先の内定通知書や雇用契約書などを提示できる状態であれば事情を説明することでカード発行を認めてくれる場所はあるはずです。

ただ先々のビジョンが見えている状態であるならば、退職前に作っておきたいクレジットカードを新規発行するようにしておいて、退職後に転職先が決定して実際に勤務してから勤務先の変更届を提出すればいいという考えもできますね。

定年退職の年金受給者になって年金だけで生活を送る場合

定年退職後に年金を中心に生活を送っていくご高齢の方が、クレジットカードを新規申し込みする場合には、「年金受給者であることを証明する書類」(年金振込通知書/年金証書など)を提示できるようにしておきましょう。

上記書類を提示できる状態なら年金受給者の方でもクレジットカードを発行することは可能ですし、どこでも審査を受け付けてくれるわけではありませんが反対に受け入れてくれるカード会社も必ず存在します。

実際に楽天カード、イオンカード、セブンカード・プラス、ファミマTカードなどはその対象です。
ほかにも年金受給者でも申し込めるカード会社はあるでしょうが上記カードを一度試してみてはいかがでしょう。

退職者の信用情報はどうなる?

在籍している会社を辞めて退職者となった場合、その後の信用情報はどうなるのか。
これに関して言えば「特に変わりはない」というのが答えになります。

信用情報を保管しているのは個人信用情報機関になりますが、結局あなたのプライベートを覗き見しているわけではありませんから、あなたがいつ仕事を辞めたかなんて個人信用情報機関が知る術はないんです。

もしそれを知る機会があるとすれば、あなたが信用情報のデータを書き換えるような手続きを踏んだ場合に限ります。
それこそ先にも説明した無職の状態でクレジットカードに新規申し込みをして、その申込情報が個人信用情報機関に登録されたときとかですね。

なので信用情報を変更されるようなことはありませんし、逆に信用情報を変更されるようなきっかけを自分でも作らない方が身のためです。

退職後に必要な手続きとは

提出書類
今度は退職した後にクレジットカードの諸手続きはどうしたらいいのかという話です。
具体的には会員サイトから登録情報を変更したり、直接クレジットカード会社に電話して会員情報が変更になった旨をクレジットカード会社に報告する必要があるのかってことですね。

会員情報が変更されたら報告の義務がある

基本的には会員情報が変更された場合にはクレジットカード会社にその旨を報告する義務があります。
理由は、私たちはカードを発行する際にいくつかの規約に同意しており、その中には「届出事項の変更」という項目が記載されているのです。

■楽天カード

1.会員は、当社に届け出た氏名、住所、勤務先、連絡先、メールアドレス、支払口座、暗証番号、年収、債務、家族会員等の情報に変更が生じた場合は、遅滞なく当社所定の方法により届け出るものとします。

2.前項の届出を怠ったために当社からの通知、送付書類その他のものが延着し又は到着しなかった場合は、通常到着すべきときに会員に到着したものとみなします。但し、前項の変更の届出を行わなかったことについて、やむを得ない事情がある場合は、この限りでありません。
引用元:楽天カード-カード会員規約より

■イオンカード

❶会員は、住所、氏名、勤務先、支払口座などの当行への届出事項
に変更があるときは、遅滞なく当行所定の方法により変更の手続きを行うものとします。

❷会員は、本条❶項の変更手続きを怠った場合、当行からの通知
または送付書類などが、延着または不到着となっても通常到着
すべき時に到着したものとみなすことに異議のないものとしま
す。ただし、変更の通知を行わなかったことについてやむを得な
い事情があるときは、この限りではないものとします。

❸会員が本条❶項により当行に届出た情報のうち、氏名、住所、
勤務先、連絡先などは別途当行が定める「個人情報の収集・保
有・利用・提供に関する同意条項」に基づき、イオンクレジット
も利用します。
引用元:イオンカード-会員規約より

ここでは先に紹介した年金受給者でもカード審査が受けられる楽天カードとイオンカードで、
実際に「届出事項の変更」の内容についてピックアップしてみました。

報告の義務はあるが報告する必要はない

前述したようにクレジットカードにはカード発行の際に「届出事項の変更」に同意する必要があることを説明しました。
ですがなにかしらの事情で会員情報を変更するというのも面倒ですよね。
なかには会員情報を変更すると不都合が発生する方もいらっしゃるでしょう。

これについては新情報に変更せず、旧情報のまま放置しておいても問題ないです。
確かに報告する義務はありますがその義務を果たさなかったからといって罰則を受けるようなことはありません。
もちろん先にも説明したようにクレジットカードを新規発行しようとして、以前とは違う情報を入力したりすれば個人信用情報機関を通してあなたの旧情報と新情報の乖離がバレることにはなります。

でも、職場を退職したなどの理由で会員情報が変わってしまっていても、なにもアクションを起こさなければバレることは一切ないのです。

仮にクレジットカード会社から「情報が古くなっている」と指摘されても、そこで新しい情報に変わったことを報告すればなんら問題はありません。

私もクレジットカード会社に指摘されてから旧住所から新住所へ変更したケースはいくらでも体験しています。

ただそんなルールの裏を突くようなやり方はズルいと思うなら、正直に報告した方がいいに決まっているので報告した方がいいです。

けど報告することで不都合が発生すると思うなら、新しい情報を報告しても問題ない状態になるまで放置するのがベスト。

退職後のカードの更新はどうなる?

先の説明のように退職後にカードの会員情報をむやみに変更していなければ、クレジットカード会社からすればあなたへの扱いはこれまで同様に変わらないので、クレジットカードの更新も滞りなく済ませることができます。

もちろん退職後に支払いの遅延・延滞を繰り返さず、安定して支払っていればという前提ではあります。

遅延・延滞が原因でカードの更新ができなかったケースというのは、職に就いている場合でも同じことが言えるのでここだけ守れば、退職後であってもカード更新は安心して大丈夫です。

退職後でもクレジットカードはもてる?

退職してもクレジットカードを所持することはできます。
それこそ退職後に無職の状態でクレジットカードの審査に申し込んでもカードを発行するのは難しいだろうというだけで現状所持しているカードにはなんら影響はありません。

ただ何度も申し上げた通り無職の状態でカード審査に申し込むと個人信用情報機関にその新しい個人情報が記録されてしまって、あなたが無職であることを自分からカミングアウトするようなものになるので、
利用しているクレジットカードが既にあるならそれ以上下手なことはせず現状維持しましょう。

退職後のクレジットカードの審査に通るポイント

ポイント
では、最後に退職後にクレジットカードの審査に通るポイントですが、これはどう足掻いても「安定した収入がある」ということが絶対条件。

なので退職したらアルバイトでもいいので、なにかしら一定の収入に繋がる仕事をしていることが肝になります。

仮に仕事に就いていない状態で申し込んでも審査に通過することは難しいですし、退職後に退職した勤務先で申し込むのも虚偽申告になるので止めておきましょう。

退職後にクレジットカードの審査に対する対応の仕方を状況別にまとめておきますので参考にしてください。

1.退職して再就職していない場合

⇒クレジットカードを新規発行しないこと。
⇒退職後に新しい情報で変更届けを出さず、いま持っているカードを現状維持すること。
⇒退職前に持っておきたいクレジットカードを作っておくこと。

2.退職して再就職の目途が立ちそうな場合

⇒内定通知書や雇用契約書を使ってクレジットカードに新規で申し込む。
⇒特別な理由がない限りは完全に就職した状態になってから申し込んだ方が間違いない。

3.退職したが既に新しい勤務先に勤めている場合

⇒特に問題なく作りたいクレジットカード会社に申し込めばいい。
⇒クレヒスが弱くなっている可能性もあるからランクの低いスタンダードなカードから作ること。
⇒勤め始めでまだ相手の信用が弱いのでキャッシングの借入額を控えめにして申し込む。

まとめ

  • クレジットカード会社の審査における退職者の扱いは3種類に分かれる。
  • 退職しても信用情報に変わりはない。
  • 退職後の手続きは特に必要ない。
  • 退職しても問題なくクレジットカードの更新はされる。
  • 退職してもクレジットカードは持てる。
  • 退職後に無職であればカードの審査に通過するポイントはない。

いかがでしたか? 今回は退職後のクレジットカードの扱い方について紹介しました。
退職を考えていてクレジットカードを重要視している方は、退職後のプランも想定した上で、計画的な退職をするように心掛けましょう。